熱力学的スチームトラップ

従来の熱力学的スチームトラップ

熱力学的トラップは、操作が簡単な非常に堅牢なスチームトラップです。トラップは、図11.4.1に示すように、トラップを通過する際のフラッシュ蒸気の動的効果によって動作します。唯一の可動部分は、コントロールチャンバーまたはキャップ内の平らな面の上のディスクです。

起動時に、入ってくる圧力によってディスクが上昇し、冷たい凝縮液と空気がすぐに内輪からディスクの下に排出され、3つの周辺出口から排出されます（2つだけを示しています。図11.4.1、i）。

ディスクの下で入口通路を通ってチャンバーに流れる高温の凝縮物は、圧力が低下し、高速で移動するフラッシュ蒸気を放出します。この高速により、ディスクの下に低圧領域が作成され、ディスクがシートに向かって引き寄せられます（図11.4.1、ii）。

同時に、フラッシュ蒸気圧力がディスクの上のチャンバー内に蓄積し、それが内輪と外輪に着座するまで、入ってくる凝縮液に対してそれを押し下げます。この時点で、フラッシュ蒸気は上部チャンバーに閉じ込められ、ディスクの上の圧力は、内輪からディスクの下側に加えられる圧力に等しくなります。ただし、ディスクの表面積が大きいため、ディスクの上部は下部よりも大きな力を受けます。

最終的に、フラッシュ蒸気が凝縮するにつれて、上部チャンバーに閉じ込められた圧力が低下します。凝縮液の圧力が高くなるとディスクが上昇し、サイクルが繰り返されます（図11.4.1、iv）。

運転速度は蒸気温度と周囲条件に依存します。ほとんどのトラップは、20〜40秒間閉じたままになります。トラップが頻繁に開く場合、おそらく寒くて濡れて風が強い場所が原因で、トラップの上部に断熱カバーを取り付けるだけで、開く速度を遅くすることができます。

熱力学的スチームトラップの利点

• 熱力学的トラップは、内部の調整や変更なしに、動作範囲全体にわたって動作できます。
• それらはコンパクトで、シンプルで、軽量であり、それらのサイズに対して大きな凝縮液容量を持っています。
• 熱力学的トラップは、高圧および過熱蒸気で使用でき、水撃作用や振動の影響を受けません。オールステンレス鋼の構造は、腐食性の凝縮物に対して高度な耐性を提供します。
• 熱力学的トラップは凍結によって損傷することはなく、ディスクを垂直面に設置して自由に大気に放出する場合、凍結する可能性は低くなります。ただし、この位置で操作すると、ディスクエッジが摩耗する可能性があります。
• ディスクが唯一の可動部分であるため、ラインからトラップを取り外すことなくメンテナンスを簡単に実行できます。
• トラップが開閉するときに発生する「カチッ」という音は、トラップのテストを非常に簡単にします。